季節感へのこだわり

2018年10月01日

西村花店のコンセプトは、「季節感」です。

四季のある国は世界中にありますが、これほど季節に囚われた国民は他にいません。巡る季節に想いを馳せ、過ぎて行く時のいちいちに心を傷める。実際の気候の移り変わりではなくその執着こそが、日本を“四季のある国”と言わしめるのだと思います。なぜならば、日本人が作り出した他の国にはない美しいもののすべてが、季節に基づいているから。着物や料理などソフトなものは、いかに季節感を表現することができるか。建物などハードなものは、いかにその季節感を滲みださせることができるか。そして花は、その日本のすべてを形作ったと言っても過言ではない、季節の象徴なのです。日本は季節、季節は花。だから私たちは、花をいけるという独自の文化を絶やしてはならないと思うのです。

しかしながら誰もが感じているように、現代の生活は季節感を希薄にします。断熱材の入った鉄骨の建物にエアーコンディショナー。エアコンで乾燥した空気を加湿器で湿らせます。花の方も、生産技術のめざましい発達により、ほとんどの花が季節に関係なく手に入るようになりました。流通の発達は日本に咲くことのないたくさんの新しい花をもたらしましたが、そのスピードが速すぎて、見た目のかわいさと意味のわからないカタカナの名前だけが独り歩きして行きました。

私たちは、日本がこれまで培ってきた独自の季節感を守るだけでなく、新しい季節感を作っていかなければならないと思うのです。これまでなかった異国の花たち、フラワーデザインにまつわる新しい技術、ハロウィーンやバレンタインなど新しい季節行事、コンディショネイトされた著しく乾燥した部屋と暑すぎる夏。「現代の暮らしには季節感がない」。嘆く前に、今この時代でしか楽しめない、過去にはなかった新しい季節感に挑戦するべきだと思うのです。

というコンセプトをもつ西村花店のショップカードが一年中同じではおかしいのではないかとあるとき思い、毎月変えることにしました。軒先においておりますのでご自由にお取りください。お花をお買い求めでない方にも、今この季節を楽しんでいただければと思います。(こちらのサイトにもアップしていく予定です)