花の向こうに人を、景色を想うこと

“京都新世代生け花展 2012” 出品; 2012年11月1-3日、 大丸京都店
Flower;葉蘭(の影)

※京都新世代生け花展は、京都の若手華道家と華道の振興を目的に、各年で行われる生け花展です。
2012年は、新しい試みとして、作品の後ろにブラックライトが設置されました。

生け花とフラワーアレンジメントの違いはと、訊かれることがときどきあります。
私は、他の日本の伝統芸能と同じように、「完成していないこと」が最も大きな違いだと思います。
生け花はただ花を器にいけて完成するのではなく、作品を目にした人が、
かつて見たことのある景色を思い出したり、新しい季節の訪れを感じたりして、
初めて作品が完成するのだと思うのです。
ただ”伝統的な形に剣山”が生け花じゃない。
生け花に花よりも大切なものがあるとしたらそれはきっと、その向う側を想う心だと思うのです。
そんな想いとブラックライトの装置をいかして、
「花の向う側を見る」をコンセプトにした作品です。