prologue

prologue2

cosmos

cosmos1

cosmos3

autumncherry

autumncherry1

autumncherry2

autumncherry3

kyokasuigetsu

kyokasuigetsu2

epilogue2

 

カオスという名のギャラリーは、長い時間の染みついたがらくたたちが、
一つの完成した空間を作り上げている、不思議な場所です。
捨ててしまっても誰も困らないそのがらくたに、こびり付いた埃と冷たさ。
手にすると、言いようのない重みを感じました。このがらくたがまだ
「がらくた」になる前に、手にして使っていた人たちは、
多分この世にもういない。決して戻ることのない「時間」に、
触れてしまった気がして恐ろしくなりました。

カオスに横たわったがらくたは、ただそこに「在る」ことによって、
私たちに時間の存在を突きつけます。そして花は、
枯れて消えていくことによって、私たちに時間の儚さを教えます。
カオスの間に一輪の花をいけたとき、壊れた時計の針の、
動き出す音が聞こえました。止まっていたカオスの時間が、
動き出したように感じたのです。こんながらくたの中に花をいけるなんてと、
ご批判もたくさんいただいた展覧会でした。もっともなご意見だと
思います。でも、こんなに花の似合う場所は他にないのではないかと、
その時感じてしまったのです。