AUTUMN

秋

秋 -AKI- Autumn

すべてが深く色付く実りと感謝の季節。
暑い日々の中にふと涼しい風を感じながら
去っていく夏を惜しみ、
澄んでいく空気の中に冬を探す。
赤、橙、黄。
古の人々が「錦色」と形容した美しい日々。

日本にもともとある色付いた葉や実のものに加え、
暑すぎない乾燥した秋の気候の下
現代ではコスモスやダリアなどの南米のお花や、
乾燥地オセアニアなどの不思議な形をしたお花も
楽しむことができます。

 


 

 

生花 葉蘭

生花  SEIKA style /  葉蘭(ハラン)Aspidistra

―いけ花は、葉蘭に始まり葉蘭に終わる

寸胴という筒の花器に竹でできた花留めをかけただけのものに、花をいけていく「生花」(せいか)。
軽い葉が「く」の字を描きながら寸胴の上にすっと立つようにいけるには、葉の重み、傾きを正確に知らなければなりません。
たった7枚の葉を器に挿れるだけで、これほど存在感を持たせる方法を、私は他に知りません。
考え抜かれた思想に裏付けられた形と、歴史の重みを背負った古典ならでは。

葉蘭は常緑性の草なのでほぼ一年を通していけることができますが、
寒くなっていく秋~冬頃が、葉も軸もしっかりしていけ時です。
秋にいける場合、季節感を出すために「朽葉(くちば)」としてわざと葉を破る演出を施します。

 

 


 

 

ツルウメモドキ

抛入れ NAGEIRE style / ツルウメモドキ Celastrus

ハードに曲がったシルエットがおもしろいツルウメモドキは、シンプルに一輪挿しへ。
実が付きすぎて重かったので、もったいないけど落としてしまい、つるの姿が際立つようにいけました。

 

 


 

 

カキツバタ

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生花  SEIKA style / 燕子花 カキツバタ Iris

無造作にたくさん生えるまっすぐな葉の中に、上品な紺色を浮かべるカキツバタ。
葉はそのままにしておくのではなく、美しく伸びやかなものを選び組みなおす「葉組(はぐみ)」という手法を用います。
カキツバタは初夏にも咲くので、秋にいける場合は葉から花をにゅーっと伸ばし、
枯れ野で成長し終わった風情をいけ表します。
実を使うのも、秋ならでは。

カキツバタの紺色は、座敷によく使われる聚楽の壁に、最も映える色の一つです。