ikebana

華道/いけ花 Kadoh / Ikebana

日本という東の果ての島国の、独特の季節と気候が生んだ
独特の思想・花のいけ方。

その独特の季節と気候は、その国のすべての文化と暮らしの
根底に流れる通奏低音。

いけ花の国の現代に生きる、私たち花をいける者の使命は、

古典いけ花の形を次の時代に受け継ぐこと、

そして、

季節の象徴である花を

誰もが気軽に暮らしの中で楽しめるようにすること。


冬

冬 -FUYU-  Winter

色とりどりの秋が去り、深まって行く常緑樹の緑に花の命を感じる季節。
冷えて澄んだ空気の中で凛と咲く椿や梅からは、混ざりけのない、澄んだ美しさを感じます。

白い雪があらゆる色を覆ってしまうさみしい日々を、先人たちは「新春」と呼びました。
葉のなくなった柳に白と赤のお餅をつけるお正月飾りの“餅花”は、新春を華やかに彩ります。

冬が深まることは春が近づくこと。冷えた空気の中に、春の香りを探しましょう。

 


 

生花 若松

生花 SEIKA style / 若松(ワカマツ)Pine tree -七五三の伝

四季を通して青々とした葉を茂らせる常緑樹に、日本人は古来から特別な力を感じてきました。四季という、美しくも抗うことのできない圧倒的な力に翻弄され続けた日本人。その四季を超越した常緑樹に、神の力を感じたのかもしれません。松や榊はとりわけ特別で、今でも神事などに使われます。門松は現在でも生活の中に馴染んでいる良い例です。お正月には、八百万の中でもとりわけ重要な年神様が来ると信じられていました。年神様に依りついてもらうべく、家の前に松を立てるのです。

 


 

 

なげいれ 大王松、千両

抛入れ NAGEIRE style / 大王松、千両 Pine tree, Japanese Sarcandra

大王松は、長い松葉が扇のように広がるちょっと珍しい松です。つやつやとした緑のシルエットが個性的でおもしろく、一枝で絵になります。
足元には千両を一枝。シンプルな取り合わせには、華やかな色絵付の伊万里焼を合わせてみました。
細い首から大きく広がる松の葉が、狭い床に生命力を与えます。

 


 

 

生花 水仙

生花 SEIKA style / 水仙  Narcissus

水仙は、凛とした姿が美しい早春のお花。ほとんどの花が眠る冬の終わりから花を咲かせるので“雪中花”との別名もあります。もちろんそのままの姿でもじゅうぶん美しいのですが、生花にいけるときは“葉組(はぐみ)”という特殊ないけ方を用います。4枚の葉を1枚ずつ整え、高さを調整し花とともにまた袴に戻すという作業を一輪ずつに施していき、そうして枝のものの生花と同じようにいけていきます。

生花の形に整えられた水仙は、小さい姿ながら他にはない気品を放ちます。凛と静かに花留めにとめられた水仙は、触れることのない水盤の水さえ、冷たく美しく感じさせます。

 


 

 

秋-細