春分
明日は二十四節季の四番目、「春分」です。
23度傾いた地球が太陽の周りを回る道筋は、一年に二度、太陽の垂直線上にやってきます。
一つを春分、もう一つを秋分と言い、この日、昼の長さと夜の長さはちょうど半分になります。
この、地球が通る太陽の周りの道筋を24に分けたものが、二十四節気です。
生まれたのは中国ですが、その後日本でしか使われなくなりました。
一年を24で割る概念を持っているのは、現在の地球では日本人だけです。
「雨水」や「啓蟄」を表す英語はもちろんありません。だけど、「春分」と「秋分」は世界中にあります。
いつになっても気温が10度ぐらいしかなかった去年のオランダで、「オランダの春はいつくるの?」と聞くと、
「何言ってるの、今は春(spring)だよ」ときっぱりと言われました。
「3月20日から、7月20日までが春。日本は違うの?」。
「四季がある」と言う彼らにとって、季節はしっかりと4つに分かれているものなのかもしれません。
私たちにとって春は、空気の中に光や水が増えたのが感じられ、
桜のつぼみがふくらみ人々がうれしがって外に出る時期のことを、たぶん「春」と呼びます。
その少しずつの変化が4つではたりなくて、12でもたりなくて、24になりました。
きっと世界より特別な、でも24分の1にすぎない、日本の春分。