独り者、旅人、貧乏人
赤くなっていく紅葉もたのしみだけれど、
一枚ずつ黄色が増えていく桜の葉からも目が離せない。
種田山頭火が、
「季節のうつりかわりに敏感なのは、
植物では草、動物では虫、
人間では独り者、旅人、貧乏人である」と書いている。
3種類の人間に共通するのは多分、
失うものが少ない(もしかしたら、ない)ことかもしれない。
人間の、大切なものや思い出を貯めて行く箱の大きさというのは決まっていて、
そこにあきが多いほど、些細なことを美しいと感じるのかもしれない。
京都、木屋町通の花屋・西村花店/華道家西村良子のウェブサイト