Too young to die

2019年11月12日

余命宣告された友人に、死ぬ気でやったらなんでもできるよな、やっとあんたと同じ土俵に立てた、と言われた。

検査したら癌だったという友人(中島というのが友人の名前)を、しかしまぁどうしようもないから笑って励ましてやろうと思って話していたらそんなこと言われたので、笑っていた自分の表情が一瞬凍りついた。中島と出会った20代のはじめ。人生は“Too bore to live, but too young to die(生きるには退屈すぎる、でも死ぬには若すぎる)”。好きだったロックバンドの歌詞の通りだった。毎日はバスから眺める車窓の景色。自分の意思と関係なく過ぎて行き毎日変わらずに退屈で、その退屈をどうしようもないまま、瞳に映っては遠くなって消えて行く景色を眺めていた。ガラスをぶち壊す勇気も飛び降りる覚悟もないままに。人生にはすることも生きる価値もなかった。久しぶりに思い出した。死んでもいいと思っていた、確かに。
だから、「あぁこれは、やる価値があるかもしれん」、そう思った花を、始めてみた。今振り返ると「よくなんも知らんところで、そんなことやったな」と思うことがいくつかある。私には才能もないけれど、他にすることも、守るものも帰りたい場所もなかった。そうか。
そんな風に始めたことだったのに、今では木屋町で店をさせてもらって、イベントやレッスンにきてくれる人たちがいて、「西村さんの花はいいね」と言ってくれる人がいて、「それはおもしろそう」と手伝ってくれる人がたくさんいる。「あぁこれは、やる価値があるかもしれん」、そう思ってやってみたいことがたくさんできた。

毎日メッセージや写真を送ってやろうかなと思った。文章も書けない入院中退屈だろうから。でもそう思った瞬間、中島の笑う声が聞こえた。「そんなんいらんし」。そして、笑ってない黒い瞳で私を見てこう言うだろうと思う。「お前はお前のやることやれよ」。
うん、そうだね。いつからか、死んでもいいって思わなくなっていた。でも、死ぬ気でやったらなんでもできるよな。

中島、私たちまだ、死ぬには若すぎるよ。死ぬ気でやったらなんでもできる、そんなこと思ってるうちは多分、死ぬには若すぎる。