先斗町軒下花展

此町に花

主催;先斗町まちづくり協議会
2015年2月29日ー3月2日 京都、先斗町通り
Flower; 胡蝶蘭、バラ、ダリア、アイリス 他

花は、野にあるように。

日本に花をいける人で、
この言葉に異を唱える人はあまりいません。
言葉だけでなくその姿が、一番美しいこともこの目で見て知っています。
それでも私たちは花を切り、花をいけます。
もしそれが許されることであるならば、
それはこの場所を春の野原のように、
美しくできると信じているから。
あるいは見慣れてしまったこの場所が本当は、
本当は春の野原のように美しいことを、
思い出すことができるから。 

これは、軒下花展です。
ご覧いただきたいのは花と、
このまちです。

会場は、先斗町のお店の軒下約70軒でした。
どこをとってみても、そもそもが一人ではまるでできない企画でした。
私のしたことといえば、どんな花なら、ひとつひとつ違う建物が映えるか考え、
切ったり買ったりして持っていくことだけでした。
花器作り、面倒くさいことはすべて先斗町まちづくり協議会の方々が引き受けてくださり、
一人でいけきれない分は会議に来た京都市や水道局、
立命館大学のみなさまがいけてくださりました。
(しかも作業場にたくさんの人が次から次へとやってきて、
「花なんかいけたことない!」と笑うみなさまとする作業は、とても楽しいものでした)

私に先斗町の軒下を与えてくださった事務局長に、教えてもらった言葉があります。
「私たちはそれぞれの違いで結びついているのです」そして
「人生とはあなたが出会う人々であり、その人たちとあなたが作り出すものです」。

私は花について考えることが好きだし、花をいけることも好きなのだと思います。
でも私が花をいけることにして一番良かったと思えることは、
花があるから出会える人がいて、
花があるからその人たちと、
一緒に何かを作り上げられることなのだと思いました。