第一回TFD
日台民間国際シンポジウム
京都市立芸大移転を機にマイノリティ・まちづくり・民主と人権を考える
主催;TFD・財団法人台湾民主基金、NPO法人京都景観フォーラム
2015年11月27日・28日、京都
―27日;東本願寺・枳殻邸(渉成園) 28日;故郷の家・京都(雲史ホール)、
Flower; ダリア
お花をいけた後は、私も「ちょっと難しいな・・・」と思いつつ講演を聞かせていただいていたのですが、
社会と土地、その上にある文化や芸術について考えさせていただくことができる、素晴らしいシンポジウムでした。
台湾の16の村、アイヌ、琉球という原住民と呼ばれる方のお話を聞いて、
世界は自分の価値観や美意識の外に広がっているのだと、改めて思いました。
その後半、土地と芸術のお話をされた京都芸大の井上先生の講演が印象深く、
メモがてらこちらに書いておこうと思います。
-井上先生のお話より
世界中で、土地の奪い合いや、所有、土地を追われることで、いろんな戦争とか悲しいことが起こっています。
もともとは誰のものでもなかった大地は、人が所有することによって「土地」になります。
その土地には、いろいろな考え方、価値観、美意識がはりめぐらされ、下に広がる大地や、
あるいはその上に広がる天空が、見えなくなってしまいます。
芸術とは、その土地に「孔」を開けることではないのでしょうか。
人間が所有した大地の上に、積み重ねた価値観のせいで見えなくなってしまった大地を、
のぞき見ることができる孔。
芸術とは造形作品のことを指すのではなく、その孔のことを指す。
大地とは水や光、人間が生まれる前も死んだ後も存在するもの。
そういう孔をあけることができる人のことをアーティストという。
―
だから季節とともに生きようとする日本の文化は、普通の暮らしでありながら
そのどれもが芸術にもなり得るのかなと思いました。
そして私は、「華道家」を「アーティスト」と名乗るときいつも後ろめたい気分でいたのですが、
このお話を聞いて、初めて自分もアーティストでありたいと思いました。
台湾民主基金・京都景観フォーラムのみなさま、大変お世話になり、ありがとうございました。