百日の話
さるすべりを「百日紅」と書くことをうすうす知っていたけれど、
なんとなく記憶に残っていませんでした。
真夏の真っ青な空に散らした濃いピンクが印象的な花ですが、
今日は十月、まだあざやかな紅色の花をつけているのを見て、
「なるほどなぁ」と思いました。
でもちょっと調べてみたら、「百日紅」の由来は「百日紅いから」ではないようです。
中国の昔話で、恋人と百日後に会う約束をした乙女が、
九十九日目に亡くなってしまったそうです。
その次の日に咲いた花だから、百日紅(中国読みわかりませんが)。
これってどこかで聞いたことあるなと思ったら、
小野小町に似た話がありました。
求婚された深草小将に、百夜通い続けたら結婚してあげると言った小町。
深草少将もやはり、最後の晩に死んでしまいます。
私たちにとってはたった三か月の百日は、昔の人にとってはどれだけ長い時間だったのだろう。