月型花器
秋といえば月が綺麗に見える季節でもあります。銅を丸く月型に鋳造した花器はそれだけでも美しく見応えがあります。その「月型花器」に浮いた状態で生花(せいか)をいけるという、シンプルな美しさが際立つと同時に高い技術が要求されるいけ方です。
生花は通常枝物を存在感たっぷりにいけますが、吊るした花器にいける場合は、横に流したり枝垂れた枝を選んだりして、
さらりと軽やかにいけます。
花店で手に入るお花はしゃきっとまっすぐな枝がほとんどですが、いけ花に使うときには少々味気ないとも言えます。
源氏藤袴会さんに切っていただいた野趣溢れる藤袴を流して
いけさせていただきました。
また月型花器を用いる場合は、実際の月の暦が上旬か下旬かで、花をどちらに流すかが決められています。今日は旧暦では九月になったばかり。花を左へ流す「上旬の挿方」を
お楽しみください。