発表「現代の花伝書」のご案内
いけ花の先輩であり、京都芸術大学の准教授でおられる井上治先生が会長をしておられる「国際いけ花学会」の例会にて、発表の機会をいただきました。テーマはおまかせいただいたので、「現代の花伝書」というタイトルで、「現代のいけ花に必要な切花の知識」について、華道と花店の両方を続けている私の視点からお話させていただこうと思います。時勢に合わせて開催はZoomミーティングにより行われますので、みなさまお気軽にご参加ください。
以下、国際いけ花学会のご案内からの引用です。
▶国際いけ花学会
<日時>
2021年1月17日 14:00 (23:00 UTC)
<参加方法>
Zoom ミーティングへのご参加は以下のリンクからどうぞ。ご参加は無料です。1月17日、午後2時になりましたら、次をクリックしてご参加ください。
https://zoom.us/j/96654374288?pwd=Z2djL2NVeElVeFFaSjg4OEtHQUNFZz09
<参加予約>
https://form.run/@shososhimbo-1608641654
予約なしでもご参加できます。予約情報は今後の例会運営の参考にさせていただきます。
<発表要旨>
Ryoko Nishimura will talk about the relationship between flower artists and florists.
日本は、切り花の生産量・流通量ともにトップクラスの、世界に誇る切り花大国です。その上にいけ花という、他の国には見られない独自の文化もあります。しかし、技術力・生産力が目覚ましく発展したのが1980年代以降であるのに対し、いけ花のルールブックである花伝書が記されたのは、新しいものでも昭和初期(1930年代~)までです。その間に日本は花にまつわる事情だけでなく、人々が暮らす家も、ライフスタイルも、大きく変化しました。 流通技術によって手に入るようになった異国のお花や、品種改良によって生み出された新しい色や姿のお花。それらが現代の照明の下ではどのように見えるのか、現代の空調の中でどのくらい長持ちするのか。そういった現代の花の知識や技術は花屋(フローリスト)の担うものとされる一方、古典いけ花の知識や技術は華道家が担い、お互いに情報が共有されていない場合がほとんどです。花伝書が、本来的にはその時代の人々のための花の取り扱いのルールブックであったとすれば、「現代の花伝書」は、華道家/フローリスト、どちらの知識だけでも完成しません。いけ花の在り方や花そのものとの付き合い方を模索していく中で、華道家もフローリストも同じ「日本の花の担い手」として、お互いの情報を共有すべき時代がきたのではないでしょうか。 今回の例会では、京都で花店を運営する華道家・西村良子(嵯峨御流正教授)が、花の仕入れから管理、飲食店へのいけこみなどの花屋の実務の中で、とくに今後のいけ花に必要だと思う内容について提起させていただきます。花や華道に携わっておられる方もそうでない方も、皆様で意見や情報を共有できる時間になればと思います。日本語による発表です。