花を仕事にして、一番楽しいと思うこと

kiyono

花を仕事にして、一番楽しいと思うこと

フラワーアレンジメント(展覧会お祝い)
2014年11月
Flower; バラ、クランベリー

 

イラストレーターの友人、楠木雪野(くすききよの)ちゃんから、ある日ハガキが届いた。
赤い花柄の入ったマグカップに、子リスが顔を出したイラストが描いてあった。
左上には控えめな字で、「スティグ・リンドべリと小さな動物たち」。
スティグ・リンドベリって誰だ。

でもとにかく雪野ちゃんの、初イラストレーション展のお知らせだった。
赤い花柄の入ったマグカップから顔を出している子リスのイラストは、
シンプルでノスタルジックで実に素敵だった。
お祝いに持って行く花のイメージが、ぱーっと頭の中に広がっていった。
色は断然赤一色で、赤い実と枝を、秋らしい器に入れる。
シンプルに、ノスタルジックに。

 私が花を仕事にして一番楽しいと思うのは、自分の友人に花を贈るときだ。
私は雪野ちゃんが、どんな服を着てどんな絵を描くのか知っている。
そのイメージで思い描いた通りの花を、
思い通りに束ねて雪野ちゃんに贈ることができる。
こんなに幸せなことはなかなかない。

 花屋さんで花を買おうとする人の多くは、
「花のことはわからない」と言われる。
だから「3000円分でおまかせ」とか、
「赤系でおまかせ」という注文をされる。
花を束ねたり、アレンジメントにしたりするのは花屋の仕事だ。
ただ私は花を束ねることはできるけれど、「あの人」が、
どんな服を着るのかどんな本を読むのか、どんな展覧会をするのか知らない。
そのイメージを私が過不足なく受け取って花を作ることができたなら、
この喜びを、より多くの人に感じてもらえるのじゃないかと思う。
でも、そうするには現代の日本には、花への知識とイメージを伝える言葉が足りない。
こんなにも色んな色と種類の花を、手に入れることができるのに。

 だから私は、私が花をいける意味を、花と言葉にしたんだった。
花は、言葉とともに消費することで、もっと楽しくなると思う。

 

 

雪野ちゃん、
手前のクランベリーは苗です。
アレンジメントが枯れたら器を植木鉢にして、初イラストレーション展開催の記念樹として育ててね。

楠木雪野ちゃんwebサイト;http://wasureta-ehagaki.com/