コスモス(秋桜)

コスモス/キク科/メキシコ/8~10月

コスモスといえばすっかり日本の秋の景色ですが、もともとはメキシコのお花で日本には明治時代~大正時代にやってきました。

日本語では「秋桜」と書くので昔からあるのかと思っていましたが、この漢字が当てられたのも意外と最近のことみたいです。どうして「桜」という字が使われているのか。ピンク色だからだという説明を時々聞きますが、秋に咲くピンク色のお花は他にもたくさんあります。私はたぶん色のことではなくて、散り方のことではないかと思います。

桜の醍醐味といえば、はらはらときれいなままで散っていく姿。他の花になかなかない、最高に美しい次の瞬間から散って行きます。コスモスも、実は似た散り方をします。秋の野に揺れているコスモス。きれいに咲いているなと思ったら、強い風が吹いたりふっと手があった拍子にはらはらっと、きれいなピンクのままで一気に散ってしまいます。その儚さが桜と重なるので、「秋桜」の字がこんなにも馴染んでいるのではないでしょうか。カタカナのままで使われている花名にも大抵漢字の和名が充てられていますが、そのほとんどがまったく人々の間で馴染まず使われておりません。

「誤用」といわれながら千年以上も使われている「紫陽花」、ほんの数十年ですっかり馴染んだ「秋桜」。「花のことはわからない」。多くの人はそう言いますが、きっと記憶のどこかにそのお花の咲く光景が残っていて、そのイメージとぴったり重なる和名だけが、未来の日本に残っていくのでしょう。

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ふわふわと優しいシルエットのコスモスに、固いシルエットがおもしろい石化柳(せっかやなぎ)を合わせてみました。

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