重陽の節句

9月9日は”重陽の節句”。上巳の節句は桃、端午の節句には菖蒲というように、重陽の節句には菊のお花をいけます。9月の初旬というとまだまだ暑い日もありまだまだ夏の雰囲気ですが、旧暦の9月9日というと10月初旬~11月の初旬、まさに菊の盛りの頃でした。

菊


 

菊 キク科/9~11月/中国

菊は、桜とともに日本を代表するお花です。
菊には古くから、不老長寿の力があると信じられていました。これはもともと中国の「菊水伝説」によります。軍記物語『太平記』によると、周の王様に仕えていた童子が、誤って帝の枕をまたいでしまったことにより辺境に流刑になってしまいました。哀れに思った帝は仏陀から授かった法華経から二句を書いて与えました。童子はその句を忘れないようにその句を菊の葉に書き写したところ、その葉の露が霊薬に代わり、それを飲んだ童子は800余年も若さを保ったまま仙人となり、さらにその谷の下流の水を飲んでいた村の人々も皆、病気が治り長寿となったそうです。祇園祭の菊水鉾は、この話に由来します。

奇数の重なる日を、昔の人々は節句と定めました。それは季節の変わり目、自然の力が強くなり人間の力は弱まります。その奇数(=陽数)の中でも最も大きい数9が重なる日は、一年で最も自然の力が強くなると考えられました。平安時代の人々は菊の不思議な力を借りようと、お酒に菊の花びらを浮かべたり、菊の香りを染み込ませた綿で体を拭ったりしたそうです。


 

高瀬川花道部
2017年9月9日 重陽の節句の回